スケッチブック 第13話(最終話)

第13話 「ひとりぼっちの美術部」    (コンテ:田所修)

アバンから既にエピローグみたいな雰囲気。いつもと変わらずゆったりしていていいな〜。栗原先輩が「あははは」って無邪気にちょうちょ追いかけてるのに笑った。
遅咲きの桜にマイペースな自分を重ねる空。「〜なのだ」の語尾がやっぱりかわいい。ひとり部室で完成させた、みんなを描いた絵は空には珍しく色がつけられてました。ああ、フルカラーズって空の絵のことだったのかぁ。それに空の目を通した世界もきっとフルカラーズなんだろな。他の人にはちょっとしたことでもそれを人一倍強い感受性で受け止める空の目には、世界はたくさんの色で満ちているように見えるだろうし。
最後のシーン、空が夏海と葉月を呼び止めるのだけど、それだけでなんでこんなに泣けちゃうの…?普段あまり大きな声を出すことがないというのもあるけど、人見知りの空がふたりのことを特別に思ってることが伝わってくるからかな。3人が歌うED曲『たんぽぽ水車』はしっとりした感じの曲で、「ああ終わっちゃう…」と寂しさが押し寄せてきます。最後の最後、ちゃんと自分で名前を言った空がかわいくて嬉しくてなんだかとても幸せな気分になりました。
空がふたりを呼び止めたり自己紹介を自分でしたことについては、「なんじゃそりゃー」と突っ込みたくなる程度の些細な変化なんだけど、「変わらない日常の中でいつもとちょこっと違うところを楽しむ」という空の感性にどっぷり浸ってきた自分にはとても大きいことに感じられました。

総感 

いいアニメだったなぁ。空がのんびりマイペースで、猫や先輩たちも個性的で楽しかったです。特に先輩たちは、普段ゆるんでるけどたまにそれぞれ違った一面を見せることがあったのがよかったなー。自分も高校のとき文化部だったのだけど、ひとつ上の先輩は男女ともに個性的な人が多かったのを思い出して懐かしくなりました。
主人公の空はいつもと変わらない生活の中にちょっとした幸せを見つける名人。そんな空に目線と思考を合わせる30分がとてもいいリラクゼーションでした。いつもと違った見方で周りのものを見ることが幸せの第一歩なんだなーって空を見てつくづく感じました。
何気ない日常からじわ〜んと心に染みる感動を描くストーリーも素敵。毎回引き際の癒しパワーがすごくて、ED曲へのつなぎはほんと「魔法のイントロ」でした。声優さんは猫や先輩あたりに他のアニメで主役張ってるような人たちがずらーっと顔をそろえていましたが、どの方も作品の世界観を大事にした演技でとても耳に優しかったです。そして何といっても空役・花澤香菜さんのハマリ具合がすばらしかった。スケッチブックの半分は空のモノローグでしたし、花澤さんの素朴で優しい声がこの作品に果たした役割はとても大きいと思う。
こういう雰囲気を味わうアニメは寝る前など気が向いたときに好きな話を見直すのが楽しいので、これからもちょくちょく見続ける思います。ああもうほんといいアニメだった。
提供絵が空→灯里、ミケ→アリア社長にバトンタッチするものになっていてファン心が見事にくすぐられてしまった。